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今日は不燃ゴミを捨てたから水曜日。
冷蔵庫のカレンダーを指先でなぞってチェックする。
エマは一昨日から自称「お泊り女子会」大きなトランクを抱えて出かけていった。来日したジルに合わせて保育園を休んでるので送迎もない。
千秋は残業調整の代休――律だけが仕事だ。
リビングに掃除機を走らせて、使った食器を片づける。
「洗濯は干した……と、お風呂の掃除がまだだった」
そういえばお風呂用の洗剤を切らしていた。
しかも買い置きもない。ゴミ袋も――世にいう名前のない家事は際限なく湧いてくる。
(後で、買いに行かなきゃ)
千秋と二人で昼食を済ませて少し早いが夕食の支度にとりかかる。
ついでに明日の朝の下ごしらえまで始めた。
律が忙しなく動き回っているのは――リビングで本を読む千秋に声をかけづらいせい。
そうやって忙しく動き回った結果――やることがなくなった。
「千秋さん、病院は大丈夫でしたか?」
沈黙の重さに耐えかねて話を切り出したが「慣れない場所で疲れた」と多くは語らない。ただ、えも言われぬ顔で本を閉じたのが気になった。
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