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リアクションが微妙に古い気がするのは気のせいだろうか。
「しゅー?」
「……キャベツだ」
千秋がなにか言いたげな間を挟んで訳してくれるが、意味が分からない。
(なんで、キャベツ?)
「初めましてジル・ロベールです。千秋とエマがお世話になっています」
きちんと立ち上がって、丁寧に頭を下げられた。
先ほどと違う流暢な日本語に驚いて返事をのみこんでしまう。
「……私の日本語、どこかヘンですか?」
「あ、いえっ。上手です。初めまして木瀬律です」
「アイサツ、大事ね」
差し出した手を痛いくらいに握ってころりと口調が変わった。面白い人だ。
「日常会話は日本語で大丈夫。アクセントは気にしないで」
「ムズカシイ、分からない、です。よろしくねシャトンちゃん」
戸惑う律を抱きしめてこめかみに口づけを落とす。
「あっ、ええっ」
自然な仕草だが、驚いて耳まで染まった。――動けない。
(き、キス、されたっ!?)
そんな律を見てジルは怖い顔になって千秋をにらむ。
「チアキ、犯罪、ダメよ」
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