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「必ずお館様なら出来ます」
と源が言うと、
「そう言ってくれるとうれしいの」
と景虎は言って、再び月を眺めながら、
「戦が嫌なら国に戻ればよい。後はわしらに任せよ」
と言ったので、
「お館様のお力になれるよう励みます」
と源が答えると、
「そうか。よろしく頼む」
と景虎は源の肩を叩きながら言った。
「それでは、また会おう」
と景虎は言って、
「がしゃ」
という音とともに立ち上がり、陣の方に歩き始めた。
源も立ち上がり、景虎の後ろ姿を見ると、月の光に包まれている。
(お館様はやはり仏様だ)
と源は思い、しばらく景虎を眺め、深々と頭を下げた。
源は、力強い足取りで陣へと戻っていった。
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