12月20日

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12月20日

せっかく異世界を旅しているのだから、楽しいことをしよう。 そう決めて、女子高生の写真集を手に入れて眺めた。 女性の脇やかがんだ太ももを見ていると、絵が描きたくなる。 こういうワクワクが日常になるといいーー さて、静かな異世界に対して、外の世界は荒れているようだ。 12月になってから、眠る時にもパワーストーンのブレスレットを身につけるようになった。 日中はヒキュウのブレスレットに、 その日の体調や服に合わせて、もう一つ何か選んでつける。 夜は癒し、あるいは魔除けに特化したものを一つつける。 ブレスレットたちを見ると、日々私のために頑張ってエネルギーを使ってくれているのがわかる。 古い物だと8年近く前に買った物もある。 定番のヒキュウ以外は、ローテーションして休ませながら使っていきたいのだ。 神様に会いに行く旅ということで、宿から近い寺にお参りにゆく。 鳥が石碑のところをよちよち歩いている。 癒される…。 何時間でもずっと見ていられる。 そんな旅の空で、恋しい物が二つある。 一つはふんどし。 出発時に生理が近かったので、仕方なくノーマルパンツを選択した。 すっかりふんどしに慣れてしまったカラダは、ゴムがストレスで苦痛なのだ。 ふんどしふんどしふんどしふんどし、気がつくとそう呟いている。 もう一つは自炊。 何を食べているかというと、観光地値段の外食が多い。 あとは目についた八百屋やスーパーに飛び込んで、トマトやみかん、ヨーグルトなどを買っては貪っている。 普段からあまり外食が得意ではないせいもあり、 自分で作ったご飯が恋しくてたまらなくなっている。 夜は、トンカツ定食を食べた。 味噌カツ派なのだが生憎と店に味噌ダレがなくて、ソースでカツを食べるならとビールを飲んだ。 こういう怪我の功名も旅の醍醐味というのだろう。 寝る前に出雲大社のブレスレットをつけた。 ふんどしのようにカラダになじんでいる、夜のブレスレット。 大切な安眠のパートナーだ。
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