初等部

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家に入ると、お婆様は、おやつにどら焼きを 出してくださった。 [ 瑠璃ちゃん、誇りを持ちなさい。一生懸命勉強をして、A学院に入学できたことを。 誇りに思ってもいいのよ。誇りを持つことと うぬぼれることとは、違いますからね。 背筋をしゃんと伸ばして、歩きなさい。 俯いて歩くと、自信がなくなるのよ。] [ はい。] [ 人に石を投げつけるような子とは、仲良くしなくても、いいのよ。分かるわね。] それから私は、自信を持てるようになった気がする。 夕飯の前に、宿題を仕上げた。それほど、宿題は多くない。 お婆様の言った通り、私立は楽だった。 ただ、とびきり勉強のできる、池田君の隣に座っていると、心がしぼんだ。 仕方がない。池田君は、お医者さまになるんだもの。
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