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美瑠お姉ちゃん
小さな頃、川崎の下町に住んでいた。
そこに、美瑠お姉ちゃんがいた。
健司お兄ちゃんも、大工の棟梁もいた。
大工の棟梁は、その横丁の主、責任者だった。
美瑠お姉ちゃんは、色白のぱっちり二重瞼の
まつ毛の長い、可愛いお姉ちゃん。
美瑠お姉ちゃんは、なぜか淋しい雰囲気を
漂わせていた。
美瑠お姉ちゃんは、長い黒髪、つやつやの黒髪の持ち主だった。
小さな二間の平屋に、武お兄ちゃんと暮らしていた。
武お兄ちゃんは、喧嘩の強そうな感じがした。
柔道や空手の名門の、K大学に通う、健司お兄ちゃんとは、ちょっと違う感じがした。
今、思うと、武お兄ちゃんは、不良だったのかも知れない。
私は、美しいお婆様のお宅に、住まわせて頂いていた。
母が、私を虐待するからだ。
お婆様は、私の父と相談して、私をA学院の
初等部に、入学させようとした。
いや、させて下さった。
A学院は、入ってしまえば楽だった。
勉強する子どもたちだらけだった。
私は、入学出来たことを、感謝している。
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