美瑠お姉ちゃん

3/4
前へ
/32ページ
次へ
武お兄ちゃんは、夜遅く帰って来たらしい。 [ あんた、頑張ったな~夜も、工事現場に いたんだって! ] [ はい。どうせなら、徹底して働いてみようと思って! ] 棟梁と、武お兄ちゃんが、話している声が聞こえた。 それから毎日、武お兄ちゃんは、工事現場で働いた。 美瑠お姉ちゃんは、嬉しそうだった。鼻歌を歌って、洗濯物を干していた。 道路工事の仕事が、終わった。 武お兄ちゃんは、美瑠お姉ちゃんを、殴ったりしなくなった。 ある日、私が棟梁の大きな家で、遊んでいる時、武お兄ちゃんが来た。 [ 棟梁、お願いがあります。僕、大学に行って、一級建築士の資格を取りたいんです。 お金を、貸してください。] 武お兄ちゃんは、畳におでこをくっつけた。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加