49人が本棚に入れています
本棚に追加
/693ページ
胸とお尻の事を言われるのが一番苦手な私は、箒の長い柄にしがみつきながら後退りしていく。
「せっかくのおしりをガラスで潰しちゃダメだよー。こっちきてよ、ねぇねぇ」
「イヤだ」というのを態度で示しているつもりなのに、ちっとも分かってもらえない。
「あ~おっぱいにハリがあるぅ♪ 脱がせたらめちゃイイカラダしてそ~」
一方の人に気を取られていたら、もう一方の人にムニッと胸を思い切り触られてしまった。
(やだっ……怖いっ……)
柄にしがみついて……下を向いて……
「やめてくださいっ……」
頑張って声を絞り出したのに
「マジでおっぱいおっきいねー♪ 何カップ?」
「田舎っぽく三つ編みとでかいメガネしてるけどさー、なんで? コンタクトしたら良くない?」
私の言葉なんか無視して2人はグイグイ迫ってきた。
「そっ……そんなのあなた達に関係ないじゃないですかっ!」
普通に近付くんじゃなくて、腰を前に突き出しながらくっつこうとしてくる。
「えー? 怒られたの? 俺ら」
桜並木でのお花見を楽しんでいたらしく、2人からビールっぽい臭いが立ちこめているし
「アドバイスしてあげてんだけど? 『こんな風にしたら付き合ってあげるよー』って」
「ま、その『付き合う』もワンナイトかもしんないけどねー♪」
「確かにっ! なんかね、たまには違うの食べてみたいなーって気まぐれのヤツね」
すっごくすっごく怖いし、すっごくすっごく嫌な気分になる。
最初のコメントを投稿しよう!