Chapter:1 出会い

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(お花の香りが嗅げたらいいなって思ったのに……)  現実はそんな可愛らしい香りじゃなくて、下品な吐息音やビールの臭いを吸う私。 「うぅ……」  悲しくなってきて涙が浮かんできた。 「今ってバイト中? 何時に終わるの? 終わるまで待っててあげよっか?」 「そしたら3人でさぁ、楽しい事しよっ! ねっ!」  怖いし気分が悪いし悲しいのに、全く動けない。 「っ」  何も出来ないでいる私に、2人は腰やお尻に腕を回すと 「楽しいって、どんな事かをちょーっとしてあげよっか♪」 「来て来て♪こっちこっち」  グイッと強く引き寄せて駐車場の奥側へと連れて行こうとする。 「や……」  抵抗したくても、男性の腕力……しかも2人分もあるから逃れられない。 「味見っ♪ 味見っ♪」 「ほっぺはどんな味かな~甘いのかなぁ~」 「耳、ちっちゃくてかわいーから噛んじゃお♪」  手首を強く掴まれ、グイッと空に向かって持ち上げられようとした……その時 「うちの従業員に何をしているんですか?! 警察を呼びますよ!!」  チャコ叔母さんの大きな声が2人の動きをピタッと止めた。 「やべっ!」 「逃げるぞ!」  直後、2人は態度を一変し慌てふためきながら逃げていく。 「あっ!! コラっ!! 待ちなさいっ」  チャコ叔母さんの制止をきかず、2人はあっという間に走り去っていってしまった。
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