Chapter:6 初体験

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*  ほんわかとした空気感をはなと共有していたのはここまでだった。 (ちょっ! ちょっとちょっとちょっと待て待て待て待て!!!!!!)  カフェに近付くに従って目に飛び込んでくるのは…… (ホテル! ホテルホテルホテルホテルホテルホテルホテル!!!!!! 右を向いても左を向いても……前を向いても後ろを向いてもホテルしかない道に入り込んでしまった!!)  昼間だから派手な雰囲気一切無く、一見するとビジネスホテル街のように見えなくもないけれど (わー! どうしようどうしよう! これ全部、「ビジネス」の方じゃ絶対にない!! 「休憩」の料金書いているから確実にの方だ!!!!)  これはまさしく「ラブ」がつく方のホテルで間違いない。 (まさやんから教わった通りの道筋で来たのに……俺、はなとの恋人繋ぎで浮かれて道を間違えたのか?!  ええと……まさやんにもう一回正しい道順を教えてもらわないと!)  焦ってスマホを取り出そうとポケットに手を突っ込み、まさやんに連絡を取ろうとしたんだけど…… (いや、待てよ?)  ポケットの中でスマホを掴んだ瞬間、まさやんが「事前にカフェやカフェ周辺をネット検索してはいけない」という変な条件をつけた事を思い出した。
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