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「あおくん……?」
色んな内容を頭でグルグル回していた俺はいつの間にか足を止めていたらしい。
「あ、はな……」
(きっとまだラブの方とは気付いていないんだろうけど)ホテルの建物に囲まれた道のど真ん中で立ち尽くす浮かない顔の俺に不安を抱いているようだった。
「お腹、空いたよね? カフェまであと少しかな?」
不安であるはずなのに、はなは今も純真無垢な表情で俺を見つめ、汗ばんだ恋人繋ぎを解く事なく可愛らしい質問を投げかけてくれていて
(可愛い……)
健気なはなにキュンとなって
(そうだ、俺が今する事はオロオロじゃない。はなを安心させて空腹を満たす事じゃないか!)
頭の中を軌道修正し
「そうだね! 俺もお腹すいたー♪ カフェまであと少しだと思うから急ごうっか!」
彼女に元気よく呼び掛けて再び歩き始めた。
「うんっ♪」
修正はうまくいったようで、はなのとびきりスマイルをゲットする。
(はな、めちゃくちゃ可愛い♡ 早くカフェに辿り着いてあげないと)
「えへへ」
俺が笑いかけると
「えへへー♡」
はなも同じように笑いかけてくれたから、力がみなぎってきた。
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