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「あ、ここみたいだよ」
軌道修正から数分後、画像で見た外観の建物が俺達を迎えてくれた。
「そうなんだぁ♪ 確かに良さそうな雰囲気♪」
「だねっ♪」
俺ははなのニコニコに同調すると共に
(カフェでのランチを200%楽しむっ! 俺に出来るのはそれだけだ!!)
力強くカフェの扉に手を掛ける。
「いらっしゃいませー」
店員が俺達の前に現れ、2名である事と禁煙席の希望を告げた。
*
座席について15分ほどして……
「わぁ~ナポリタンスパゲッティだなんて久しぶりぃ~♪」
「確かに、なかなか食べる機会ないよねナポリタンって」
ガチで昭和感あふれるナポリタン2皿が俺とはなの間へと差し込まれる。
「美味しそ♡」
「うん……」
はなは満面の笑み、そして俺は引き攣った作り笑いで「いただきます」の手合わせをし
「いただきまーす」
「いただきます」
フォークをケチャップ麺に絡ませる。
(くっ……)
200%楽しむはずだったカフェランチではあったんだけど、メニュー表を俺が手にし開いた瞬間「これははなに見せてはいけない!!」と察して無理矢理「本日のランチ」二つを店員に注文する羽目となったんだ。
(「割引券」って、この店の割引券じゃなくて、向かいにあるデカいラブホの割引券じゃねーかまさやんのヤロウ!!)
あまり汚い口調は使わない俺でも乱暴なツッコミを心の中でする。
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