Chapter:6 初体験

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 なんとメニュー表全ページの上部には赤く目立ったフォントで『当カフェでお食事のお客様にはHotel Tentation(ホテルテンテーション)3割引クーポンプレゼント』と表記されていたのだった。 「ごめんね、はな。メニューを独断で決めちゃって」  俺の席からガッツリ見えるラブなホテルのクーポン付きお知らせが書かれているメニュー表をはなに渡すわけにはいかない。だからワザとテンション上げて「わぁ~! 今日のランチナポリタンだって♪ はな、一緒に食べない? 美味しそうだよ」と強引に決めて2人とも同じナポリタン・オニオンスープ・グリーンサラダ・コーヒーを口にする羽目になってしまい初デートに(キズ)をつけた事を謝ったら 「ううん! バシッとメニューを決めてサクッと注文しちゃうあおくんはかっこよかったよ♡」  純真無垢のキラキラ笑顔で可愛い返事がすぐに来て 「かっこよかったかなぁ俺……」 「うん!」 「え~そんな事ないって全然」  スカした感じで流しつつも、心の中では (やった! はなから「かっこいい」もらえた!!)  彼女から「かっこよかったよ」と言われた嬉しさでフワフワした気分になる。
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