Chapter2:御礼ランチ

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  (まさか俺が一番行きたかった洋食屋さんに誘われるとは思ってもみなかったなぁ……「御礼のお食事」だなんて気が引けたけど『jolie mante(ジョリー・マント)』と聞いたら断らずにいられなくなっちゃったんだよなぁ) 「へー♪ いいねいいね♪ 男の子一人じゃなかなか行けないんだよね、カップル・家族連れ・女性客に大人気のお店だから」 「はい、今日のお昼にたまたま行ける事になったんです」  『jolie mante(ジョリー・マント)』はいわゆる昔ながらの洋食屋さんって感じのお店なんだけど、ここ数年のレトロブームで特に人気が高い。 「いいねいいねー♪ 蒼くんにとっては久しぶりのウキウキデートじゃん♡」 「まぁ……エビグラタン食べられるのでウキウキはしてますけど」 「なぁに言っちゃってんのよ『デート』を否定しなかったって事は、女の子と一緒に行くんでしょ? ウキウキはエビグラタンだけなわけないんじゃない?」 「うぅ……」  健人さんの言う事は間違いないから「ウキウキはあくまでエビグラタンです」と強く言い返せず…… 「配達行ってきますっ!!」  ニヤニヤ健人さんから逃げるしか方法がなかった。
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