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駅近の商店街で大輪のヒマワリみたいに明るく仕事している『フラワーショップ田上』の店長、田上健人さんは俺の知る中では最も優しいアラフォーだ。
「優しいが一番だ」を教えてくれたのは健人さんだし、俺も健人さんみたいなイイ男になりたいって思ってた。
だから今、大好きな『フラワーショップ田上』の敷地内で、大好きな健人さんに俺の凹み理由を告げるのはすごく辛い。
「蒼くん……いつもあんなに『幸せ』って、彼女さんの話してくれていたのに……」
「彼女にとっては、そうじゃなかったみたいです。俺が大切にしようって思って、手を繋ぐくらいしかしてこなかったら『つまんない』って不満に思われていたみたいで」
「だって付き合ってまだ2ヶ月くらいじゃん? 手を繋ぐくらいで不満持つって…………イマドキの子ってそんな感じなの?」
「わかんないです…………」
健人さんは優しい。
「そっかぁ……分かんないよねぇ」
一応言葉を選んで、俺の背中をポンポンしてくれる。
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