Chapter2:御礼ランチ

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(今朝お仕事してきたっていう事は、今日の『jolie mante(ジョリー・マント)』は蒼さんが運んだお花でいっぱいになっててまた私を楽しませてくれるって事に繋がるんだよね)  ドキドキしながら、私は蒼さんの顔をみようと目線を斜め上に向けてみた。 「お腹空きましたね、華子さん」  すると視線に気付いた蒼さんがニコッと笑って話しかけてくれる。 「はい」  その表情にキュンときてしまった。 (蒼さんがお仕事したお花を店内で見るのも楽しみだなぁ……)  ここのお店は女性に人気の高い洋食店だ。13時過ぎといっても土日はちゃんと座席の予約をしなくちゃならない。 「わぁ……本当にお客さんがいっぱいなんですね」  予約した2人席に案内され椅子に腰掛けると、蒼さんはとても驚き周囲を見回していた。 「平日のお昼は比較的空いているんだそうです。私は平日夜か今みたいな休日のお昼過ぎに来たことしかないんですけど」 「いや……俺は土曜日の開店前は必ずここに配達に来て、レジ前にある花瓶に花を生けるの手伝うんですよ。でも営業中には来た事なかったので本当にビックリします」
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