Chapter10:秋の味覚をご一緒に

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(本当はチャコ叔母さんに渋皮煮の瓶をいっぱい渡す約束をしていたんだけど……一つくらいなら私達が食べちゃっても良いよね?)  昨日段ボールで送られてきた時点でこの渋皮煮の存在も叔母さんに伝えていたし、とっても興味惹かれていて「食べてみたい」って言っていた。  彼氏さんも19歳の私だけでなく、お酒を嗜む叔母さんの事を考えてくれていたみたいで、5つの瓶のうち2つはブランデーが入った洋風仕立てにしてくれている。  ブランデー無しの渋皮煮を叔母さんにいくつ渡そうかと結構悩んでいたし、分け合うのは叔母さんと直接相談しようって思っていたんだけど、こんなあおくんを目の前にしたらあおくんにもこの美味しさをお裾分けせずにはいられなかったんだ。 「渋皮煮かぁ……すごいなぁ。こんなの、あるんだ」  あおくんは男性で、渋皮煮が乗ったモンブランなどのスイーツがあるって事をあまり知らないのかもしれない。 「うん、だからね……今から一緒に食べよう! あおくんっ!!」  だから今日のこの機会に、あおくんの新しい扉を開けさせてあげたいって、強く思った。
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