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「お待たせ、あおくん♪」
あおくんをリビングに座らせている間に私は緑茶や小皿などをトレイに乗せて運ぶ。
「テーブル、拭いておいたよ」
「ありがとう、助かるよあおくん」
「えへへ♪」
「ふふふ♪」
さっきみたいな痛々しい笑みではなく、ほんわかとしたいつものあおくんらしいニコニコ顔になっていたので、私はホッと胸を撫で下ろす。
「じゃあ、瓶を開封するね!」
あおくんの隣に座り、渋皮煮が入った小瓶に手をかけると
「あっ! 瓶の蓋って固いんじゃない? 俺が開けるよ」
そう言ってあおくんが代わりにパカッと開けてくれた。
「あおくん、力持ちって感じ♪」
「やめてよはなぁ、そんな褒め方されたら照れちゃう……あっ! でもすごい! いい香りする!!」
最初は照れ顔になっていたあおくんだけど、開封された瓶から甘くて芳醇な香りが立ち上るなり、キラキラと目を輝かせていて
「うん! するね!! 黄色い栗の甘露煮とは違う感じがするよ!!」
その香りは私の鼻もくすぐったので、期待感が高まる。
「食べるの、ワクワクするね」
「うん、ワクワクする~♡」
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