Chapter11:可愛いジェラシー

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(すぐに返事くれて、俺の帰り待ってるから早く帰ってきてほしいとか……あ~可愛過ぎる可愛過ぎる!!)  スタンプ連投も良いけれど、はなの気持ちそのままが乗っかった文字が即返ってくるのも良い。  はなのこの可愛さを声に出してこの場で表現してやりたいけど、ここは『フラワーショップ田上』横の狭い路地裏。こんなところで惚気ボイスなんて出そうものなら色んな意味で注目を浴びてしまうだろうから我慢せざるを得なかった。 (急いで帰ろう! はなが待ってるんだから!!)  昂る気持ちや想いは胸の中に秘めておき、そのパワーを自転車蹴り上げや漕ぎ出しに変換させ急いで路地裏から這い出た。  夕日が完全に沈み真っ暗となった12月の夜風は、俺の勢いと共に頬を荒々しく撫でてくる。 (冷たっ!!)  それはまるで俺へのジェラシーというか冷やかしのようにも感じられたけれど (はな♡ 待っててね♡)  正直そんなもの、ハートが燃えたぎっている俺にはなんの効果もなさない。  なんたって合鍵交換をした俺とはなの愛は熱くて強いのだから。
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