Chapter11:可愛いジェラシー

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「ただいま! 留守番やご飯の準備してくれてありがとうはなっ♪」  扉が開いてすぐ、俺は両腕を開きながらまず目の前に出迎えてくれたはなに向かって労いの言葉をかけたんだけど…… 「おかえりなさい、あおくん」  はなはしおらしく微笑を浮かべ「おかえりなさい」の返事をするのみだった。 (あれ? ハグしてくれないの?)  確かに、「ただいま」以降の俺のセリフには「留守番ありがとう」「夕食ありがとう」といった他の要素が詰め込み気味だったし、加えて「ハグOK」的な両腕広げもやってのけたから、はながどう反応すれば良いのか迷ってしまった感はある。 「えっと……」  言葉に詰まってしまったのは、ハグがスカされたってのもあるけど…… 「あっ、あおくん……寒かったよね? 早く……中に入らなくちゃ。風邪引いちゃう」  いつもの可愛い笑顔とはちょっと違う微な笑みでいるし、俺に話しかけるはなの様子は何となくぎこちない感じを受けたんだ。 「はなの言う通りだね……うん……」
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