Chapter11:可愛いジェラシー

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 はなにとっては迷惑行為。  合鍵交換が大好きな彼女にとってそのような気持ちになってしまうのは悲しいけれど、実際問題ではないのだから、これは俺の行動そのものが原因だと思って……それで…… 「あの……はな」  沈んだ気持ちになりながら、大好きな彼女の名前を呼び掛け 「ごめんね……なんか」  と、続けてそう口にしたらはなの肩がビクッと震えて 「って……あおくん…………やっぱり」  突然、丸眼鏡の奥にあるまんまるくて可愛らしい瞳が潤んだんだ。 「えっ?!」  俺がビックリしたのも当然。 「あおくん……ひどいよぉ」  まさか、はなが泣き出すとは思わなかったんだから。 「あっ」  俺は彼女の震えを少しでも止めてあげようと思い、肩に触れて 「ごめん」  次いで謝る。  すると、はなは俺の手を跳ね除け身を屈めると 「うわあぁぁぁん! やっぱり私なんて彼女って思ってくれてないんだぁ~!!」  そのままワァッと泣き出した。
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