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(コルクボードの下半分……見ちゃったんだ)
目の前で彼女は俯き、肩を震わせている。
「はな……」
名を呼び、その震えを止めようと両手で肩に触れながら……
(俺のバカっ! なんで大好きなはなに勘違いさせるような真似しちゃったんだよ……!!)
決して悲しませるつもりもかつての恋に未練があるわけでもないのに、きちんとコルクボードの掲示物を片付けなかった事を悔やんだ。
「はなは、俺の部屋を掃除しようとしてくれたんだね。一応、お風呂とか洗面台とかは綺麗にしておいてお留守番してくれるはなの手を煩わせないようにって努力してみたんだけど……足りてなかったね、ごめんね」
なるべく声の調子を整え、優しく語りかけるようにしながら、はなに謝ったんだけど
「うぅ……」
そんな程度じゃ彼女の気持ちが済むはずもなく、啜り泣きをし始めている。
「俺が小物置いてるカウンターをきちんと片付けしなかったのもあるし、普段からあのコルクボードの上半分しか使ってなかったから……だから俺が悪いんだよ」
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