Chapter11:可愛いジェラシー

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「…………っ、ぅぅぅ」  はなは悲しみのあまり、俺の身体(からだ)にギュッとしがみつき 「元カノさんとの写真……見ちゃったのぉ」  はなは声を絞り出しながら決定的な内容を言い、俺の服に涙を染み込ませながらわんわんと泣く。 「うん、それが原因だよね……本当にごめん」  …………そう。  はなの機嫌を悪くしたのは、俺の完全なる落ち度。  元カノ美月(みつき)と撮ったツーショット写真をコルクボードの下半分にピンで貼り付けたまま、かれこれ1年近くも放置していた事だったんだ。 「あのね……私、本当はテーブルを拭くだけにしようとしてたの」 「うん……」  まだヒクヒクと鼻や喉を震わせているはなは、どのようにしてコルクボードの下半分を見てしまったのかを俺に話してくれた。 「合鍵もらったの嬉しかったし、昨日私の部屋のもあおくんに渡して……嬉しかった。  今日があおくんの鍵を使ってお留守番する日だからって、いつも以上にウキウキして、浮かれてて……」 「うん」
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