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「私と知り合う前に別の女性とお付き合いしていたのは知ってるし、あおくんがそれまで経験してきた思い出は大事にしてほしい。だから、『写真を捨てて』なんて言いたくないし言うつもりないんだよ」
俺がどう言葉にしようかと迷っている間も、はなはきちんと俺に自分の気持ちを伝えてくれている。
「だけどね……なんかね……あんな風に写真を他の小物で隠すみたいにされちゃうと、彼女として不安になるんだよ」
「うん」
「写真に罪はないけど、私がこの2ヶ月あおくんのお部屋へ遊びに来てここのテーブルでまったり過ごしている最中、ずっとあの写真はあんな風に貼られたままになっていたんでしょ?
写真の存在に気付いた時にね、ゾッとしちゃったの。コソコソ私とあおくんの様子をあの写真が見てたみたいな気分になっちゃって」
「…………そっか……」
そして、それはすごく真っ当な意見でもあって胸がズキッと痛む。
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