Chapter11:可愛いジェラシー

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(呆れられてもいい……めちゃくちゃに叱られて、怒られてもいい。  言い訳並べて取り繕ったって仕方ないんだ。だってそれ以上の理由がないんだから)   「本当に忘れてたの?」  鼻をグズグズ鳴らして完全には泣き止んではいないのだけれど、はなはすごく不穏な声を出して冷静に俺を問いただす。 「ごめんなさい、本当に忘れていました」 「嘘でしょ?」 「いや、嘘じゃなくて本当の事なんだよ。ごめんなさいはなを不安にさせて」  けれど嘘はついていない。一般的には忘れるはずがないものなんだろうけど、実際に忘れてしまっていたのだから、こう伝えるしかないんだ。 「あの写真……インスタントカメラのヤツなんだけど、元カノ……っていうか、付き合う前の美月(みつき)と、まさやんとまさやんのサークルメンバーとで、ちょうど1年前の12月にカラオケに行ってさ。その時にいっぱいまさやんが撮ってくれて……その一枚なんだ」 「えっ?」 「信じられないなら、他の写真も見せるよ。あの時の写真……まさやんと一緒に写ってるヤツとか、4~5人で写ってるヤツとかももらってて、引き出しのどこかにあるはずだから」
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