Chapter11:可愛いジェラシー

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「その中の一枚を、コルクボードに貼り付けていたの?」 「うん、その後で美月に片想いして、なんとなく願掛けのつもりで貼り付けてた」 「…………そんなに大事な思いがあったのに、写真の存在忘れちゃったの?」 「それも言い訳しようがないっていうか。美月と付き合えて嬉しかった気持ちももちろんあるんだけど、付き合い始めたら始めたで俺も美月とどう向き合っていけばいいのか分かんなくて。2ヶ月付き合っていたけど手を繋ぐくらいしか出来なくて。  コルクボードに貼り付けている写真すら直視出来なくて、キャラクターで埋めて隠していくようになっちゃって」 「…………それで、写真の存在そのものを忘れちゃったんだ?」 「そうなんだよ……本当に情けなくって、申し訳ない」  片想いの願掛けにツーショット写真をコルクボードに貼り付けたのに、それからすぐにキャラクターグッズで隠してしまうなんて、他人のはなからしてみたら不可解で信じられない行動かもしれない。
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