Chapter11:可愛いジェラシー

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*  日曜日、この数日私が温めてきた考えをあおくんに提案しようとしたら…… 「ねぇはな、俺達付き合って2ヶ月になるし、合鍵をさぁ……交換しない?」 「えっ!!!!」  なんとあおくんも全く同じ事を考えていたらしく、先を越されてしまった。 「あっ……ダメだったかな?」  驚いた私のリアクションを「却下」と捉えたらしいあおくんは、すぐに眉毛を八の字に曲げて後頭部を掻いてしまう。 「ダメじゃないよ! ただ単にビックリしただけ!!」  本当は「私も同じアイデアが浮かんでいたよ」って伝えたかったんだけど 「本当?」  不安気な表情のまま私をジーッと見つめものだから 「ほんとほんと!」  自分の意見はさておき、まずはあおくんを笑顔にしなきゃって気持ちが働いて 「じゃあ……交換しちゃう?」 「もちろんっ!!」  結局「私も合鍵交換したいと思ってた」とは言えなかった。 「一応ね、持ってきていたんだ。合鍵」  あおくんはやわらかな笑みに戻して 「もうすでに渡す用の合鍵が入っているよ」  と、身につけているカバンの紐を揺さぶっている。
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