Chapter11:可愛いジェラシー

47/83
前へ
/693ページ
次へ
 この部屋に入って以来ずーっとウジウジしていた自分のネガティブを吹き飛ばしたくなった私は、わざと声を出しながらテーブルをフキフキしてピッカピカに磨き上げる。 「あおくんには癒しが足りてないから……だから私が!!!」  テーブル拭きが完了して、立ち上がり……  キッチンに戻って…… 「あおくんの冷えた体を、私が癒してあげるんだからっ!!」  温めた食事をトレイに乗っけて、いざ運ぼうとしたその時……!! 「きゃあ!」  なんと私の大きなお尻が壁にドンッとぶつかり、あおくんが以前から集めていたキャラクターフィギュア達がバタバタと倒れていっちゃったんだ。 「ヤバっ!」  大きさは小さいけれど、大事にしているあおくんお気に入りのグッズを落としてしまったと冷や汗を掻く。 「うわあぁん! あおくんごめんなさぁいぃ」  姿の見えない所有主に謝りながら、せっせとフィギュアを拾ってカウンターに戻していったその時………… 「えっ?」  並べられていたフィギュアの後ろに立て掛けてあったコルクボードに視線が向いた。
/693ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加