Chapter11:可愛いジェラシー

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 そのコルクボードは、ずっと前からフィギュアの背面を支えていて、上半分をメモ貼り付けとして日常的にあおくんが使用していた。  だから今このコルクボードの上半分には今日の日付と「はな、お留守番してくれてありがとう」のメッセージカードがピン留めされているんだけど…… 「これって……もしかして……」  …………そう。たった今フィギュアがバタバタと雪崩みたいに倒れていったから、私は初めてコルクボードのを見てしまったんだ。 「…………」  に、同じ色のピンで留められている写真に手を伸ばす。 「ツーショット……写真だ……」  その写真はインスタントカメラでプリントされた、真四角もの。  スマホ撮影されたものとは画質が全然違っていて……逆にエモさが際立っていて……。 「この綺麗な女性が……ミツキ、さん?」  被写体のすぐ下、プリントの欄外にはあおくんの筆跡で書かれた「おれ」と「美月さん」の文字が躍っていて……しかも 「会いたいよ~~♡」と、小さく走り書きまでされていたのだった。  
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