Chapter11:可愛いジェラシー

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「寄り道、しないでほしいなぁ」  私の為にお菓子やスイーツの事を気にかけてくれたんだろうけど「今すぐにでも帰ってきてほしい」という思いと「私にはお菓子やスイーツでなんとかなると思われてるんじゃないか」っていうネガティブ思考も生まれてきて [りょーかい!] [欲しいものは特にないよ、あおくんの帰りを待ってるね]  スタンプ無しの返信をまたポンポンと送信してしまった。 (可愛げない返信だったかな……あおくんみたいにスタンプで返せば良かったかな)  向こうがスタンプを送ってきてくれたのに、私の方は文字だけで済ますっていうのは素っ気なく感じるかもしれない。 (あおくん、首を傾げてないかな……?)  スタンプを使わずに文字だけメッセージを送るのは珍しい方だ。お父さんお母さんにだって日常的にスタンプ送るし、あおくんとのメッセージだっていつもは可愛いメッセージ画面で賑やかにしてる。 (だけど……送る気になれないよ、こんなのじゃあ)  部屋はエアコンでポカポカと暖かくなっているし、お味噌汁の鍋からは湯気も上がっている……でも、それとは真反対に私の心は外の様子のように冷たい風がビュービューと吹き荒れていて、可愛いスタンプを送る気持ちが失せてしまっていたんだ。
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