Chapter11:可愛いジェラシー

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(どうしてこんな事になっちゃったの?)  フィギュアが落ちて写真が見えてしまったのは偶然だった。  だからこそ、あおくんの裏の顔や真実が(つまび)らかにされた気がして、悲しくて悲しくてたまらない。 「はな……」  あおくんはまた私の背中に触れて 「はなは俺の大事な彼女だよ、大切な存在だと思ってるし大好き。  今日だって忙しい時間をぬって俺のバイト中に来てくれて、ご飯の用意してくれてめちゃくちゃ嬉しいし感謝してるし、すっごく喜んでいて……それで」  本当かどうか分からない言葉をペラペラと並べてきたから、私は彼の話を遮って顔を上げると、腕をピッとまっすぐ出して人差し指を壁の方に向けて 「私よりも大事な女の人、コルクボードに隠して大切に大切に隠していたんでしょ!」  思い切って核心に迫ったんだ。 「えっ? コルクボード?」  何故かあおくんはキョトンとしていて、目線をゆっくりと私の指差す方向に向けると 「あっ……」  目を丸く大きく見開き、驚き慌てふためく。
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