Chapter11:可愛いジェラシー

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「そうだったんだ……」  あおくんも私の話に相槌を打ちながら、どうして私がニコニコ顔になれなかったのかを把握してくれているようだ。 「ご飯の準備する時にね、お尻がそこの壁にドンって当たっちゃって……」  顔をあおくんの胸部分に押しつけたままの状態で腕だけを伸ばし、私はお尻が当たってしまったという壁の方向を指差す。 「ああ」  そこであおくんは「完全に理解した」という様子で 「はな……お尻、痛かったでしょ。撫でていい?」  大きな手を私の肩から背中の方に滑らしながら伺いを立てて…… 「うん」  コクンと首を振ったのと同時に、その手が腰の方へと下りていって…… 「どの辺? 右? 左?」 「ひだりぃ」 「そっか……痛かったね、なでなでするよ」  お尻の左側をスリスリと優しく撫でてくれた。 (良かった……あおくんのお部屋での、まだ私の知らなかった部分が、きちんと理解出来て……)
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