Chapter11:可愛いジェラシー

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「ううん、大事だと思うから。そういうの」 「そういう細かな心遣いが嬉しいんだよ、ありがとう」  ハグの温もりでなんとなく、「元カノに未練がある」とか「私に内緒で会ってる」とかの意味合いを含んでいない事は察する事が出来ている。  でもなんでコルクボードの下半分に写真を貼り付けたままなのか、フィギュアで隠すような事をしていたのかの謎がまだ残っていた。 (なんとなく不安にならなくて良いのは理解出来たけど、その点は気になるなぁ)  優しいハグやお尻なでなでが嬉しい分、やっぱりあおくんの方からキチンとした説明が欲しいと感じた。  けど、あおくんはしばらく黙ったままでいて…………。 「私と知り合う前に別の女性とお付き合いしていたのは知ってるし、あおくんがそれまで経験してきた思い出は大事にしてほしい。だから、『写真を捨てて』なんて言いたくないし言うつもりないんだよ」  煮え切らない態度にまたモヤモヤして、私の方から話を切り出す。
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