Chapter11:可愛いジェラシー

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 私が最も動揺したのは、元カノのミツキさんが想像を飛び越えるレベルの美人さんだった点だ。 (澤村くん……私に名前以外を教えようとしなかったよね?)  澤村くんが私に元カノ情報を教えなかったのには、そういった理由も含まれていたに違いない。 (あおくんの家族の秘密に対して私が真っ当に立ち向かったから、澤村くんは「私があおくんの彼女で良かった」と感じていたのかも。元カノミツキさんが美人さんな事は知ってるけどそれを私にこのタイミングで話したら私が変に動揺すると思ったから……)  澤村くんのメッセージを思い出す。 ーーー [だけど華ちゃん先輩は必要以上に知らなくていいんじゃないかな? 阪井、元カノと居る時よりも今の方が楽しそうにしてるし] ーーー (澤村くんからは、の方が楽しそうに見えてるんだよね?)  音羽ちゃんがハマっているweb小説の内容と澤村くんのメッセージは全く無関係なのに、私の勝手な思い込みで変な方向へと妄想が膨らんでしまった。  でも、冷静に一つ一つを反芻してみると何でもない事であってその一つ一つに悪意が1ミリも含まれていない事が分かる。
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