Chapter11:可愛いジェラシー

70/83
前へ
/693ページ
次へ
「上乗せ?」 「うん……今思えば、俺は美月と彼氏彼女としての関係を結べてなかったし、美月を好きでいる事が最初から出来ていなかったんだと思うんだ」 (あ……それ、なんか分かるかも。ミツキさんがとびきりの美人さんだから特に……)  多分、1年前の「恋に恋する」って様子だったんだと思う。それか、テレビドラマや映画の中の女優さんに惹かれる……みたいな。 (憧れの人とか、外見の美しい人とツーショット写真なんか撮れちゃったら浮かれちゃうよね?) 「私とは……関係が結べているのかな?」 (私ときちんと関係が結べてるのが「ミツキさんみたいに美人じゃないから」だったらイヤだけど)  あおくんの当時の様子を段々と理解しつつも「もしそうだったらイヤだな」という疑問を投げかけてみると、あおくんは彼女の丸眼鏡をそっと外し…… 「もちろんだよ、俺ははなが大好き。可愛らしく笑う表情も、ふわふわの髪も今みたいな三つ編みも、やわらかな身体も、温かな心も全部全部愛おしくてたまらなくて……離したくないし誰にも渡したくないって思うよ」  また強く抱きしめて、私の目尻からこぼれた涙をキスで吸い取ってくれた。
/693ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加