Chapter11:可愛いジェラシー

73/83
前へ
/693ページ
次へ
「よし! 決めた!!」  ハグを解いたあおくんは意を決した様子で私を見つめ…… 「あの写真、破いて()てるよ!」  いきなりそんな事を言いながら立ち上がってクルリと背を向くと、カウンターの前に立ってあのコルクボードを持ち上げる。 「えっ?!」  私の驚き声に気を留める事なく、あおくんは赤いピンを抜いて写真をそこから引き抜いて写真を半分に破こうとしていたから 「えっ? あおくんっ! ちょっと待ってちょっと待って!!」  私は急いであおくんの背中に飛び付き背後から彼の両腕を掴んだ。 「えっ? 待ってって、何?」  私のバックハグに驚きながらあおくんが振り向く。 「その写真、本当に破いちゃうの?」  私の問いにもあおくんは 「そうだよ、だってこの写真をこんなところに貼り付けたままにしていたからこそ、はなが悲しい思いをしたんだし、やっぱり元カノとのツーショット写真なんかとっておくものでもないかなって……」  キョトンとした顔つきで返答していて 「だからといって破いて棄てちゃっていいの? 本当に?」  私が今慌てている意味が全く分からないみたいだ。
/693ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加