Chapter11:可愛いジェラシー

77/83
前へ
/693ページ
次へ
「うん、そうだよ。イタズラ書き」  私の声にあおくんはクスッと笑って 「イタズラ書きって、あれ、あおくんが書いたんじゃないの?」  尚も驚く私に向かってニコニコ微笑んで 「まさやんが書いたんだよ。ほら、写真の上から書いた名前の字体と『会いたいよー』の字体、ちゃんと見たら違うでしょ?」  そう言って私に写真をきちんと見せてくれた。 「違う……のかなぁ? でも、漢字の右上がりは同じに見えるよ?」  「俺」「美月さん」の字は白の油性ペン、「会いたいよー」は黒のボールペンでそれぞれ書かれているから筆跡が違っているようにも似通っているようにも感じられて判別がつきにくい。 「ああ……確かに、俺とまさやんは筆跡似てるんだよなぁ。一年や二年の頃は代筆やって授業乗り切った事もあるし」 「字が似てるんだぁ……あおくんとまさやんさん」 「よく見たら違うんだよ。まさやんの方が書き方が雑で」 「ほぉ……」  ましてお友達同士字形が似てしまっているのなら、尚更あおくんが書いたんじゃないかって思っても仕方なかったんだろう。 (確かに走り書きっぽい感じだもんなぁ、「会いたいよー」の方は)
/693ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加