Chapter11:可愛いジェラシー

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「そっかぁ……油性ペンの名前の方が書いたの後だったんだぁ」 「そうそう。ちなみに名前は他の写真にも全部書いてるんだよ。1年前さ、楽しく遊んだメンバーとインスタントカメラ撮るのにまさやんがハマってて俺も俺で写真の被写体に名前書くのにハマってて」  名前の油性ペンと、「会いたいよー」のボールペン。ほぼ一緒のタイミングで書かれたか、もしくは「会いたいよー」が後のタイミングだと予想していたものだからビックリする。 「さっきあおくんは『写真をコルクボードに貼ったのは願掛け』って言ってたけど、名前書く行為そのものは願掛けではなかったんだね」 「まぁ……そういう事かな」  あおくんは「名前書きは1年前のマイブームだった」事を証明したかったのかクローゼットを開け、足元の収納ボックスを持ち上げて私の前で開いて見せた。 「わぁ~! 写真がいっぱい!!」  あおくんの言う通り、そこにはあおくんや大学のお友達と一緒に飲み会してたりカラオケしてたりする写真であふれていて、そのどれもに白の油性ペンで名前が書かれていた。 (なるほど……名前書きには特に深い意味合いはなかったんだぁ)  あおくんが正直に話してくれていたのが理解できてホッと胸を撫で下ろす。
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