Chapter11:可愛いジェラシー

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「本当に美月との写真、棄てなくていいの? その箱の中に戻していいのかな?」  あおくんは眉を下げ、まだ申し訳なさそうにしていたんだけど 「いいよ! 大丈夫!! あおくんの今の気持ちは充分伝わったし、理解出来たし、この写真はあくまで『まさやんさん達みんなで楽しい時間を過ごした一枚』であって、それ以上でもそれ以下でもないんだから」  写真そのものに罪はないのだから、あおくんと美月さんの写真も、たくさんの写真達と一緒にしまってあげた方が良いとやはり考えたんだ。 「じゃあ、まさやんの字の部分だけ棄てるね」 「うん」  あおくんも「会いたいよー」を残したままなのは気分が良くなかったみたいで、私の前でハサミを取り出し、まさやんさんが書いたボールペンの筆跡だけを綺麗にカットして、収納ボックスの中にヒラリと落としてパタンとボックスの蓋を閉め……  クローゼットも完全に閉めて…… 「うんっ!」  っと、私に向かって大きく頷くと 「改めて謝るね、誤解させてしまってごめんなさい」  ぎゅううっと正面からハグをしてきて…… 「俺が大好きな人ははなだよ。誰よりも一番大好きで、すっごくすっごく愛してるし、一番大事にしたいのははななんだ」  そう宣言をして…… 「んっ♡」  私の頬に可愛らしくチュッとキスをしてくれた。
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