Chapter:12 クリスマスの夜に

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 以前から俺の家族の情報をコソコソと耳に入れていたらしく、俺が母さんに金を振り込んだ事をわざわざバイト先の先輩であるはなに吹き込んではなの繊細なハートを傷付け困惑させたんだ。  はなはとっても優しいから俺への弁明をしっかりとしてくれたらしいんだけど、その件で久子さんやみどりさんを筆頭に他の従業員さん達までもが澤村に対して不信感を抱き久子さんに至っては「姪や姪の彼氏を悲しませたのだから年明け以降のバイト契約は結ばない!」とまで宣言していたらしい。 (澤村が…………なんで??) 「そうだよ、あおくんと同じ大学の……澤村くん。  仕事は今日久しぶりに組んだんだけど、実は最近ちょこちょこと澤村くんと話す機会があってね。割と仲良くなってきているっていうか」 「……そうなんだ」  はなにとっても澤村は天敵だと思っていたのに、いつのまにか仲良くなっているとの話を聞いて今度は俺の方が困惑してしまっている。
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