Chapter:12 クリスマスの夜に

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「確かに、他人のアレコレに聞き耳立てているのは良くないと思うんだ。都合の良い部分だけを聞き齧って真実とはかけ離れた噂を流してもいけないし」 「まぁ……そうだよな」 「よくよく本人に話を聞いてみたらね、澤村くんは澤村くんなりに『お友達になりたい』っていう気持ちがそうさせちゃったみたいなんだ。  他人との繋がりを持ちたくて、他人を知りたくてついつい聞き耳立てて情報をかき集めちゃうみたいな。澤村くん本人も『本当はやめたいのになかなかやめられなかった』って言っててね」 「へぇ……」 「『社会人になるしもうやらない』って言ってたよ!」  はなはニコニコ顔で俺にそう話してくれたんだけれど (なんか……信じられないんだよなぁ。話の進み方が小学校低学年の解決方法みたいに聞こえるし)  澤村が俺と仲良くなりたくてコッソリ情報得ていただなんて、なんか信用出来ないし余計にゾッとしてしまう。 「……でもまぁ、仲良くなってきたって言っても澤村がコンビニバイトやるのもあと少しなんだよね? 年が明ければはなは以前通りにシフト入れるんだから」 「そうだねーお正月はシフト入れるみたいだから正確には冬休みまでになるんだけど」  とはいえ、はなとは近々接点が切れる男なんだから俺も気にしない事にした。
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