Chapter:12 クリスマスの夜に

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「片耳に一つずつ着けるのもいいんだけどね~、こうやって片耳だけに二つ着けるのもかっこいいと思うんだぁ」 (はなの指、小動物みたいな動きしてる♡)  やわらかくてちっちゃな指が耳元でモゾ動く様子を噛み締め…… 「ありがとう、はな♡」  はなが持っていたミニサイズのミラーで確認しながら俺もウンウンと頷く。 「どういたしまして♪」 「早速明日のお出かけに着けさせてもらうよ」 「そう言ってもらえると嬉しいなぁ♡」 「実際俺喜んでいるんだからね?」 「えへへ♡」 「めちゃくちゃ嬉しいよ、はなありがとう」  見つめ合って頷き合いながら「ありがとう」を言う空気感が甘くって仕方ない。 「じゃあ今度は俺からはなに……」  俺ははなが渡してくれたものよりも大きな包みを手渡す。 「えっ?! これ、本当に5000円以内?」    プレゼントの大きさにはなは目を丸くして驚いている。 「勿論だよ、予算5000円ってはなと約束したでしょ?」 「うん……」  俺が渡した包みは二つ。予算オーバーしてるんじゃないかって不安になるのも仕方ない気もする。 「そこはきちんと守っているよ」  だけど、確かに俺は予算内でプレゼント購入をしている。はなと約束したのだから、このルールを破るつもりはなかった。 (というか、このルールを守ろうとして、頭抱える瞬間があったんだけどね……)
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