Chapter:12 クリスマスの夜に

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「去年はお友達と観なかったの? イルミネーション」 「友達って、沙羅ちゃんと音羽ちゃん?」 「そうそう、だってイルミネーションってカップルだけのものじゃないからね」 (なるほど……)  イルミネーションはカップルだけのものじゃない……確かにあおくんの言う通りだと思う。 (だけどやっぱり、私にとってイルミネーションって「デートスポット」のイメージが強いんだよねぇ)  もしかしたら私とあおくんではイルミネーションの価値が違うのかもしれない。なんとなく、あおくんの表情からは「イルミネーションは毎年観た方が得だよ」と言いたそうに感じられて…… 「ああ、えっと……去年はバイトしてたから! イブもクリスマス当日も!!」  だから、あおくんが必ず納得する事実をきちんと伝えてみたんだ。 「えっ? コンビニって忙しいのイブだけじゃないんだ?」 「うん、予約ケーキの受け渡しは24日が一番忙しいんだけど、クリスマス当日の25日もそれなりに忙しいんだよ。家族で過ごす人が多いからかな?25日受け渡しも結構あるよ」 「そっかぁ~……25日もまだクリスマスなんだもんね」
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