Chapter:12 クリスマスの夜に

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* 「あ、そうだ! はなって可愛い雑貨が好きだよね?」  イルミネーションを存分に楽しみ、帰りの電車に乗ろうと駅まで戻っていると、恋人繋ぎの手を更にギュッと強く握りながらあおくんがそんな事を訊いていた。 「うん! 好きだよ!」  私の雑貨好きはお付き合いする前からあおくんに知られている。  部屋でいつも使っているテトラ型ビーズクッションも雑貨屋さんで見つけたしあおくんと一緒に食器選びをしたのも有名雑貨ショップの大型店舗だったから、今確認のように改めて質問されちゃうと変な感じがする。 「あのね、このまま俺の家に帰ってもいいんだけど……」  あおくんの目線は私の背より高い位置に向いていて 「ん?」  直後に彼が指差した方へと振り向いてみると…… 「クリスマスマーケット、これから行くのはどうかなって思ったんだよ」  壁に貼られているクリスマスイベントのポスターが私の視界いっぱいに飛び込む。
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