Chapter:12 クリスマスの夜に

43/79
前へ
/693ページ
次へ
「買えた?」  私が向いに座るなり、あおくんはニパッと明るく笑う。 「うんっ! あおくんは?」 「もちろん買えたよ~」 「やったぁ~♪ えへへ♡」  きっと私の顔もいつもより嬉しそうに見えるんだろう。あおくんはいつも以上に幸せそうな表情をしていて 「じゃあ、乾杯しよっか♪」 「うんうん♡」  私達はこのイベント限定柄が入ったスーベニアマグカップを同時に持ち上げて 「「かんぱーい」」  可愛らしく、縁をカチンと軽く鳴らす。 「えへへ♡ お外でかんぱーいってするの、初めてだよね?」 「あー、確かに! はなとするのは初めてだ!!」 「いつもはまさやんさんと?」 「そうそう、ビールジョッキでね」  あおくんと外食する事はちょくちょくあるけど、居酒屋じゃないからグラスをカチンとするのは初めての経験だった。 「そっかぁ」  ミツキさんの件はこの前解決してるから、「私以外の誰かとあおくんが乾杯してる」ってなってても嫉妬はしない。 「マグカップで乾杯って、なんか新鮮な気分だよ! しかもそれをはなと出来てるっていうのが嬉しいし幸せだなぁ♡」  それにあおくんが言葉通り幸せそうな表情をしてくれているから私は素直に喜ぶ事が出来ていた。
/693ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加