Chapter:12 クリスマスの夜に

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「んふふ~♡ キャンドルホルダーにスパイスリース♪、お家で使うの楽しみだなぁ♡」  結局買い物は15分ほどで完了し、上機嫌であおくんの居るテーブル席まで戻る。 「営業時間終了間際なのにホットワイン注文してるお客さんまだまだ居るんだなぁ」  「あおくんもしかしたら6杯目を注文しに行っているのでは?」と思って、売り場の方を覗いてみるとまだまだホットワインのお代わりを頼む大人がたくさん並んでいて驚く私。 「さすがに居ないかぁ……あおくんは」  一旦トイレを挟んだとはいえ、5杯も飲んだらお腹がチャプチャプになっているんだろう。その場にあおくんの姿はなかった。 (それにしても店員さんは大変だなぁ……ノンアルの鍋とアルコール入りの鍋の前に立って注文捌いてて。間違えたりしないのかな?)  一応ノンアルに1人、アルコール入りに1人と店員さんはそれぞれ別の方がついているとはいえ、お客さんが並び間違えてしまったり中身を間違えてしまったりはしないのだろうかと疑問にに思う私。 (あ、なるほど。マグカップの色でノンアルとアルコール入りを分けてるのかぁ!)  だけどすぐに店の前の注意書きに「赤色マグはノンアル専用です」の文字があって納得したんだけど (マグカップの色が分かれてるなら店員さんも間違える事はないしお代わりしても大丈夫……って!! あおくん、最初から水色マグ持ってなかった??!)  すぐに最初の「乾杯」をした時を思い出しハッとする。 (あおくん、最初からノンアルを飲んでるつもりだったけど水色マグなら中身はアルコール入りのホットワインだったんじゃ……?!)
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