Chapter:12 クリスマスの夜に

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「あおくんっ、大丈夫?!」  アルコール入りの商品につけられるスーベニアマグは水色。  そのシステムを知った今、あおくんを心配せずには居られなくなっている。 「あ、はなぁ」  ちょうどオーダー終了を知らせるアナウンスが流れて、席で飲み食いしてるお客さんはまばら。  その中であおくんは着席したままいつも通りのニコニコ顔で私にヒラヒラと手を振ってくれていて 「あおくんお待たせ」 「良い買い物出来た?」 「うん♪ 可愛いキャンドルホルダーがあってね、一目惚れして買っちゃった」 「へぇ~見せて見せて♡ 本当だ♪ クリスマスカラーで可愛いデザインだね♡」  呂律が回ってるわけでもなく、普通に会話のキャッチボールが出来ているのでホッとした。 (良かったぁ……酔っ払ってはなさそう)  あおくんが飲んだワインは本当にノンアルコールで、店員さんがマグの色違いについて勘違いしていただけなのかもしれない。
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