Chapter:12 クリスマスの夜に

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(ふあぁぁぁ~~……お部屋選ぶの緊張しちゃったぁ)  クリスマスの夜、しかも時刻は22時半っていう……所謂カップルが良い雰囲気になってこういうホテルに向かうにはちょうど良い時間だと思うんだけど、なんともラッキーな事に本館は3部屋も空いていた。 (選択肢が3つだけとはいえ、迷ったし緊張しちゃったよぅ……)  私達がホテルを利用するのは今回が2回目。  初めての時は一度本館へ入ったものの満室で慌てて別館に回り、あおくんが顔を真っ赤にしながら「なるべく普通のお部屋を」と私が緊張し過ぎないように選んでくれた。  ……けど、今日は私が部屋を選ぶ事に。 「はなはオシャレなものが好きだからお部屋選びもセンスあるね♪」  数分前、あおくんは私の背丈に合わせるよう腰を(かが)めながら「はなに選んでもらいたいなぁ♡」なんてセクシーボイスで囁きお願いしてきた。 「センスなんかないよぅ……テキトーに選んだだけだもんっ!」  エレベーターの中であおくんはニコニコしながら私を褒めてくれたんだけど、私の右耳にはまだコショコショとくすぐるようなセクシーボイスの余韻が残っていて素直に頷けないでいる。
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