Chapter:12 クリスマスの夜に

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「「わぁ……」」  受付のディスプレイよりも実際の方が青みが強い。  ブルーの照明や、シャンデリア代わりに部屋全体をあしらったビーズカーテンのガラス玉一つ一つが光に反射していて、ここだけ異世界に迷い込んだかのようで…… 「綺麗だね」 「うんっ! すっごく綺麗……」  今からエッチな事をするお部屋の概念を覆してしまうような幻想的な内装に惚れ惚れとしてしまった。 「はなってさ、暖色系が好みでしょ?赤とか、ピンクとか、オレンジや黄色。  だから正直な話、青いお部屋を選ぶなんて意外だなって思ったんだよ」  あおくんはスマートに私の手からマーケットで購入した雑貨の入った紙袋を窓際に設置しているカフェテーブルの上に置くと、手招きして外の景色を見せようとしてくれた。 「確かに、個人的には暖かみのある色が好きかなぁ」 「でしょ?」 「うん、あおくんからプレゼントしてもらったこの赤いストールも気に入ってるし」  部屋の階層は思ったよりも高く、夜景の白色の光と窓に反射してる青のガラス玉が良いバランスを保ってとっても落ち着く雰囲気だ。
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