Chapter:12 クリスマスの夜に

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「はな、うつ伏せになってみて」  あおくんは私に体の向きを指定してきたけど、「命令」じゃなくて「お願い」ってニュアンスだ。あくまで優しい言葉遣いで私に無理のないよう配慮してくれる感じがする。 「うん」  私は、彼の言われた通りにうつ伏せへと体勢を変え背中を天井に向けると 「ありがと♡ はな♡」  わざわざそれだけの為に「ありがとう」なんて言ってくれる彼の優しさにキュンキュンきた。 (あおくんはノンアルのホットワインを飲みたがったのって、あの時の話にあったように「私が20歳の誕生日になってないから」くらいの理由なんだろうな。特別大きな理由があるんじゃなくて、あくまで歳下の私に合わせるっていう配慮みたいな理由っていうか)  うつ伏せになった私の背中へ、あおくんの温かな手のひらがふわふわと触れる。
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